2014年から約7年間、マイクロフォーサーズ規格に惚れ込んで、Panasonic Lumix GF5→GF6→GX7MK2→G9 PROとステップアップしてきました。
最後のG9 PROはマイクロフォーサーズとしての完成形で十二分に活躍してくれました。
しかし、、もう1歩画質が及ばない場面がいくつか出てきたので、わずかな不満はあったんです。
・人物撮影(ポートレート)
・暗所撮影(スポーツ)
この2つのウィークポイントを補うため、LUMIX DC-S5(フルサイズ)を買ってしまいました!
規格の比較
あくまでも素人の感覚での規格比較をしてみました。自分と同じようにフルサイズのミラーレス一眼カメラが気になっている方の目線でまとめてあります。
フォーサーズ | フルサイズ | コメント | |
センサーサイズ | 4/3型 17.3mm × 13mm =2.249cm2 |
35mmフルサイズ 35.6mm × 23.8mm =8.4728cm2 |
センサー面積が3.8倍 |
イメージサークル | 21.64mm =3.678cm2 |
42.83mm =14.41cm2 |
レンズ口径が3.9倍 |
ボケサイズ | 25mm÷F2.8=8.9mm | 50mm÷F2.8=17.8mm | 無限遠でのボケサイズが2倍 |
被写界深度(焦点距離3m) | 1,352mm | 611mm | 被写界深度が半分 |
ISOテクノロジー | ヴィーナスエンジン | +デュアルネイティブISOテクノロジー | ISO640から低ノイズ・高ISO回路 |
手振れ補正 | 6.5段(Dual I.S.2) | 5.0段(BIS) 6.5段(Dual I.S.2) |
対応レンズを使えば同等 |
※Panasonic Lumixシリーズの比較です。
※マイクロフォーサーズだと焦点距離は35mm換算で2倍になります。
この表を見ても分かるように、物理的にセンサーサイズが小さいことが大きく起因しています。メリットでもありデメリットでもあるわけですが、純粋に画質として1画素あたりの光量が4倍ってところが一番の要因だと考えています。
つまり理論的には4倍綺麗なんですが、4倍補える環境(光量が十分にあったりシャッタースピードが稼げる、対象が動かないなど)だとほぼ差が感じられません。
他社のフルサイズ機との比較
マウント名 | マウント内径 | フランジバック | バヨネット爪 |
SONY Eマウント | 46.1mm | 18mm | 3つ |
NIKON Zマウント | 55mm | 16mm | 4つ |
CANON RFマウント | 54mm | 20mm | 3つ |
Leica Lマウント | 51.6mm | 20mm | 4つ |
これ自体での良し悪しは何とも言えず、それぞれのカメラ屋のプロが導き出した答えですし、すべて正解なんでしょうね。でも、SONY Eマウントはどう考えてもサークルが小さすぎると思いますが。
素人考えでは、マウント内径がデカすぎるとレンズ口径にも影響して価格やレンズの重さに悪影響だし、フランジバックが短いと光線の屈折がきつくなるので、Lマウントは「ほどよい内径で、しっかりとフランジバックを取ってる」というベストバランスなんだと思います。
ちなみにマイクロフォーサーズのマウント内径は40mm、フランジバックは19.25mmだそうです。
Lumix DC-S5
前置きが長くなりましたが、品薄が続く Panasonic Lumix DC-S5をレンズキットで購入。キャッシュバックキャンペーンを実施していたため爆発的に売れてた(もしくはそもそも生産量が少ないのか、、)ようです。
あちこちに赤い色を使ってるのはLumixの高級機のシンボルみたいですね。
こちらがレンズセット品。カメラ本体は驚くことに、マイクロフォーサーズの G9 Proよりもわずかに小さいんですよ、、。重量は56gだけ重たいですが、、、。
あとは同じくLマウントアライアンスに加盟しているシグマのレンズも2本購入。
LUMIX S 85mm F1.8(S-S85)というポートレート撮影用のレンズと併せて、計4本のレンズを購入しました。
SIGMAの100-400mm F5-6.3 DG DN OS(C)、24-70mm F2.8 DG DN(A)、パナソニックのS 85mm F1.8(S-S85)、S 20-60mm F3.5-5.6 (S-R2060) という(たぶん)価格的にはギリギリ最良の組み合わせだと思います。(S PROレンズで揃えたら高過ぎて破産しますから、、)
焦点距離的にも、20mm~400mmまでとフルレンジ揃います。ポートレートもスポーツ撮影もこなしたい為の布陣です。
撮影重量
ただし最強の布陣には難点もあります。それが撮影重量です。
こちらがマイクロフォーサーズの時の重量。街ブラ(この組み合わせだけで出かける頻度が一番多い)で約1kgです。重いと言えば重いですが、ミラーレス一眼を担いでると思えば全然苦にならない重量です。ただしスポーツ観戦の時には、望遠レンズも入るため、1.6Kgとちょっとヘビーでしたが。
これがフルサイズミラーレス一眼になると、、、街ブラでは、、、まぁ誤差の範囲で約1kgなのですが、スポーツ観戦では約2.7kgと1kgも増えてしまいます。これはキツイ、、、。撮影目的に応じて使い分けないと腰を悪くします、、、。
装着イメージ
LUMIX G9 ProとDC-S5を並べるとレンズの違いが明確ですね。オリンパスがマイクロフォーサーズにこだわり続ける理由の一つですね。
まずはレンズキット「S 20-60mm F3.5-5.6 (S-R2060) 」の装着イメージ。約1kgと軽くフルサイズミラーレスとは思えない軽快化が実現されています。レンズ自体が軽い(350g)ので本体以外の重さを感じない重量バランスが絶妙なんでしょうね。普段使いはこれで十分ですが、ちょっと望遠側が60mmなので短すぎるのが懸念です。
街撮りなら、LUMIX G9 Proで十分かな、、と感じます。(LUMIX G9 Pro +LEICA H-ES12060 で 24mm~120mmまでカバーできますので)
その若干の焦点距離を補える、S 85mm F1.8(S-S85)の装着イメージ。
キットレンズとデザインが近くサイズ的にもほぼ同じなので(フィルターサイズも同じφ67mm)、スムーズなレンズ切り替えが可能です。そしてこのレンズの映りの良さが半端ない! 人物撮影もしましたが最高の画質ですね。
ただし欠点があって、「最短撮影距離が80cm」ということ。ぜんぜん寄れないんですよ、、、。例えば顔のアップを撮るとかが出来ない。当然マクロ的な使い方もできない。
マイクロフォーサーズのLEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2、いわゆるノクチは50cmまで寄れるし、レンズキットのレンズ(S-R2060)は最短撮影距離が15cmなんですよ?
ここからはシグマのレンズ。
まずは100-400mm F5-6.3 DG DN OS Contemporary。Contemporaryは「ハイパフォーマンス・ライン」と呼ばれるお手頃レンズ(安くはないよ!)。DG=フルサイズ用で、DN=ミラーレスカメラ専用設計レンズの意味です。400mmもの超望遠を扱えるライトバズーカと呼ばれていて有名なシリーズですね。
LUMIX G9 Proの時も、50-200mm(35mm換算で100-400mm)を使ってたので最低限400mmレンズは欲しかったんです。
最後は、スナップ撮影用に買った、24-70mm F2.8 DG DN ART。ARTは「アーティスティック・ライン」でいわゆる最高峰のレンズ。もちろん高い。
焦点距離的にはレンズキットとほぼ同じなのですが、開放F値が全然デカい(S-R2060は F3.5-5.6 に対して、こちらはF2.8通しなんです)! 人物撮影には最低限このくらいのF値は欲しかったのと、60mmではちょっと距離が足りないんですよね。撮影会とかだと。+10mmの差は強みです。
ただし重い!! キットレンズが350gなのに対して、こちらは835gと2倍以上重たいんです。
何しろぶっとい筐体だし、レンズフィルターなんかこのサイズですよ(φ82mmもある!今回は「HAKUBA ULTIMA WR」を購入しました。)
豪華なケースも付いてる24-70mm F2.8 DG DN ARTですが、もう少し軽いと嬉しい、、。
レンズ取り付けマークの位置
レンズ取り付けマークの位置が、めちゃくちゃ見づらくて合わせづらいので、ネットでナイスアイデアを見つけて真似してみました。100円ショップで買ってきたラインストーンをこんな感じで貼ってみました。超使いやすくて良き。
アクセサリー
ガラスフィルター
液晶モニターには忘れずにフィルターを貼っときました。いつもむき出しなので、あっという間に傷だらけになりますから、、、。
オススメはガラス製の「坂本ラヂヲ GRAMAS Extra Glass Panasonic LUMIX S5用」です。つるつるすべすべで快適です。
追加バッテリー
バッテリーも追加購入しました。DMW-BKL22は9000円オーバーの高級品です、、、。純正品だからしょうがないですね、、。
つまりバッテリーを1つ追加で携行するわけですが、保管袋が、、ちゃっちいよ!パナさん!!!
なので以前買ってた互換バッテリーのプラパックを流用。これで安全に持ち運べます。
ちなみにDC-S5の充電器は、Lumix G9 Proのバッテリパックも充電できる優れもの。しかもUSBケーブルをつなげない状態でバッテリを差すと、現在のバッテリ残量を表示してくれる賢さ。
愛用のPeak Designのマウントも装着。これを三脚穴のところにつけてストラップをつなげると、レンズが下向きで携行できるのでオススメです。
フォーサーズではダメなのか?
・人物撮影(ポートレート)
・暗所撮影(スポーツ)
この2つのシーンに課題があってフルサイズセンサーのミラーレスカメラ(DC-S5)を買ったわけですが、まだ暗所のスポーツ撮影は試せてませんが、ポートレートでは圧倒的な表現力でフルサイズのチカラを発揮しました。
ただ、、それ以外のシーンでは正直全く差を感じられないですね。さすがマイクロフォーサーズです。
通常の利用用途の8割はマイクロフォーサーズで十分だと思います。
ただしあくまでも最高級レンズを装着したマイクロフォーサーズならば、、です。そしてそのレンズを買うならフルサイズとの組み合わせでの価格差はないです。
4K動画の課題
G9 PROで撮影した4K/60Pの動画はWindows10で普通に再生できていたのに、DC-S5で撮影した4K/60Pでは正常に再生できなかったんですよ。
色々原因を探っていたのですが、どうやら原因はコーデックの違いで、、。G9 PROではMPEG-4 AVCでしたが、
DC-S5では、MPEG-H Part2 HEVCだったんです。 前者はH.264で、後者はH.265。かなり新しいコーデックの規格で対応できないWindows10が多いんです。
Microsoft Storeから「HEVC ビデオ拡張機能」を120円で買ってみたところ再生できるようになりましたが、コマ落ちが半端ない、、。ダメだな、、、。