都市伝説?ミラーレスカメラ用の交換レンズではピントずれが発生しない?

一眼レフ時代のカメラだと「位相差AF」と呼ばれる方式での測距だったため、わずかなピントずれが発生していました。俗にいう「前ピン」とか「後ピン」って言われるもので、カメラ本体にAF微調整の項目がありました。

ミラーレスカメラのピントずれ

しかし時代は変わり「ミラーレスカメラ」では、センサー上で測距する「像面位相差AF」や「コントラストAF」方式の為、原理的にピントずれが発生しなくなったとのこと。

株式会社シグマのホームページにも上記のように書かれていて「原理的にピントずれが発生いたしません。」と明確に否定しています。

本当ですか?

縮小画像でもわかると思うんですが、どうにもピントが甘いんですよね。ただ、前ピン・後ピンではなく、なんとなく滲んでる感じ。

LUMIX DC-S5をメイン機にしていて、もちろんミラーレス一眼カメラですし、シグマのレンズ(この写真は24-70mm F2.8 DG DN ART)のパッキパキの解像度からすると、「あれ?」って感じでした。

それに比べて、この「100-400mm F5-6.3 DG DN OS Contemporary」については、さきの置物の写真だけでなく、遠景もどこを撮っても何となくビシッとしないんですよ。

まぁ、ArtレンズじゃないしF6.3ですし(必然的にISOも高くなりがち)、焦点距離400mmですから手振れ(微ぶれ)もあり性能の限界かな、、、って思ってました。

しかし他のユーザの作例を見ても割とパキッとしてる、、、。

シグマに見解を聞いた

購入して1年近く、主に野球観戦やプロバスケットボールの撮影に使用しましたが、やはりシグマらしくない解像度なのでシグマに問い合わせてみました。

Q:ピントを合わせても、解像が悪いのか滲んだような画像になります

A:ミラーレスカメラでAF撮影を行って頂いた場合、原理的にピントずれは発生致しません。そのため、弊社にお送り頂いても、検査の結果、ピント精度には問題がない、という結果になる可能性もございます。

よくある質問ページに書かれていることと同じ反応ですね。

・ワンショットAF(AF-S) ・絞り開放 ・中央一点AF
・コントラスト検出しやすい被写体
(白い壁や青空など、色が一様なもの、非常に遠くにある被写体は、
コントラストが検出しにくくなります。

こういう感じで再度撮影してみて、それでもダメなら送ってみてください、とのことでした。

ま、、ダメなので送りましたよ。

修理の状況

待てど暮らせど修理状況の連絡がないので問い合わせてみたところ、、、

ミラーレスカメラではピントずれは原理的に発生しないはずですが、弊社で保有するPanasonic S5に組み合わせて検証を行ったところ、確かにピントずれが発生していることが確認できました

との回答でした。「ピントずれ」発生するんじゃん!!!

一般的に、ミラーレスカメラのAF方式として採用されている、「コントラストAF方式」や「像面位相差AF方式」という、撮像素子上で測距を行うAF方式では、原理的にはピントずれが発生致しませんが、極稀に、レンズの個体によっては、ピントずれが発生してしまうことがございます。

なるほど。じゃぁ「原理的にピントずれが発生いたしません。」って説明オカシクね??

今回は、レンズ内に書き込まれている、AF合焦の際に使用される各データの微調整、さらなる最適化を行い、Panasonic S5上で発生していたピントずれを解消させて頂きました。

個体差を何らかのパラメータ調整で吸収できたようです。何を調整したのか分かりませんが、高画素時代ではほんの僅かなズレで発生するのかもしれませんね。

修理結果

横浜スタジアムで撮影した、横浜DeNAベイスターズのマスコット「DB.キララ」ですがパキっとした撮像になりました! まぁキレッキレな感じではないですが、F値大きいですからこんなもんですかね。

先ほどの置物も再撮影してみました。左から
・LUMIX DC-S5 + SIGMA 100-400mm(修理前)
・LUMIX DC-S5 + SIGMA 100-400mm(修理後)
・LUMIX DC-G9 + パナライカ50-200mm
というもので、修理前からは明らかに良くなってます。
しかしマイクロフォーサーズ+パナライカって改めて凄い解像ですね、バッキバキじゃないですか、、、。僅かに深みがない(悪く言えば平坦)なのでエッジが立ってると感じる絵作りかなって思います。



ファームウェアアップデート

夏ごろにこういうアップデートも有ったのでもちろん更新しましたが、変わらなかったんですよね、、、。

ちなみに、LUMIX機でのアップデートは出来ないので、シグマの純正品「USB DOCK UD-11」が必要です。定価で8,800円もしますが、、、。
ちなみにこのUSB DOCKではピント調整できません。

まとめ

カメラもレンズも工業製品であり、ものすごい高いレベルでの精密機械です。
とはいえ、完璧な状態で出荷されるわけではないですから、今回のような「通常」では当てはまらない事象もおきることが良く分かりましたし、メーカーさんはその対処法も心得ている。

大多数の無駄なサポートを減らすためには仕方ないのかもしれませんし、実際あのQ&Aページを見たら(私も当初は諦めてましたが)、我慢して使い続けることになると思います。

なお、発送時は着払い、返送時も元払い、修理代無料でしたので、費用はかかりませんでした。
保証期間が過ぎると点検として2万円程度かかるようですので、なるべく保証期間内に一度は点検に出した方がよろしいかと。

 

 

 

 

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