随分と記事の更新をサボって何をしてたかというと、、モデル撮影をしてました。
プロカメラマンに弟子入りして数年の修行を積んで、、晴れてモデル撮影の仕事を頂いて、、などというプロセスはすっ飛ばせる時代ですから、じゃんじゃん撮影する方が腕が磨けると考えて、この半年ぐらいまい進してきました。
およそ半年ちょいで、約50回の撮影会参加・リク撮の実施、計230名以上のモデルさんを約8万枚撮影してきたので、カメラ選び、モデル選びの参考になれば幸いです。
※人それぞれだと思いますが、こういう方法もあるんだなぁ、、ぐらいの温かい目で読んでもらえると嬉しいです。
カメラ選び
相当な腕前が有れば別ですが、モデル撮影の出来栄えはカメラ機材の性能が7割ぐらいを占めると考えています。作品作りをしたりアートな方は独特な感性があるのでさらにそれに応じた機材も必要になってきますし、やはり機材の性能が重要です。
フルサイズ必須?
センサーサイズは「フルサイズ」じゃないとダメなの?って話があると思いますが、モデル撮影に関しては「YES」だと思います。ただしバカ高いレンズを使うなら小さいセンサーサイズでも大丈夫な場合もあるんですが、、、。
現在モデル撮影には下記2台体制で行っています。
LUMIX G9 Pro + LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0
LUMIX S5 + SIGMA 24-70 F2.8 DG DN | Art
G9 Proがマイクロフォーサーズ、S5がフルサイズセンサーですね。
モデル撮影では色んなシチュエーションがありますが基本的には光はコントロールできるので、それぞれ適正な条件下で撮影する限り、正直ほとんど差は出ません。もちろんボケ具合とか質感とか若干違いはありますが、それが写真に悪影響があるとは感じていません。
ただ、上記の構成のように、どっちにしろお値段が高いですから、フルサイズで始める方が素直だと思います。
レンズ選び(マウント)
前述のように、カメラ機材の性能が7割ぐらいを占めると思いますが、特にレンズがその割合を占めています。なんならほとんどレンズじゃないかってぐらいです。
特にミラーレス一眼については、センサーで捉えた映像が写真になる(一眼レフ機はファインダーの実像は写真にならない)ので、非常にシンプルにレンズの性能が写真品質に直結します。
そして、レンズは「マウント」の問題があります。各メーカーの設計思想やビジネスモデルの違いで、多くのマウントが乱立しています。それぞれの性能差なんて写真家でもなければ、殆ど分かりませんから好きなものを選べばいいと思います。
自分は以下の条件でLUMIXの「Lマウント」を選びました。
・標準規格であること(メーカー独自ではないこと)
・設計思想に無理が無いこと
・サードパーティーの参入があること
これを満たしているのは、ライカのLマウント(Lマウントアライアンス)と、ソニーのEマウントぐらいなんですよね。まぁソニーは標準規格ではないですが仕様開示はしているそうなので。
ただしソニーのEマウントはちょっと小径すぎる気がしてるのとやっぱりメーカー独自の懸念もあるので、LUMIXが採用しているLマウントを自分は選びました。(というかソニーのαシリーズは小型すぎて指がレンズに当たる致命的な課題があるので無理)
あとは撮影目的にあったレンズを(お財布と相談して)決めるだけですね。
焦点距離
レンズ選びの続きですが、後述の撮影シチュエーション次第で焦点距離をどうするか?という課題があります。
撮影スタイル | モデルとの距離 | レンズ焦点距離(オススメ) |
囲み | 5m以上 | 70mm以上(85mm) |
屋外 | 3m程度 | 35mm程度(35mm) |
スタジオ | 1~2m程度 | 24mm程度(24-70mm) |
これが構図によって様々に組み合わさるのでまぁ大変ですが、モデル撮影ならそれなりにアップで撮りますから「寄れる焦点距離」が必要ですね。
上表のオススメのように、自分のスタイルでは使い分けていますが、予算的に1本しか買えないってことなら、「24-70mm F2.8」が一本あれば、何とかなると思います。
その他機材
ストロボ、ソフトボックス、ストロボスタンド、LEDライト、レンズフィルター、レフ版、カメラの予備バッテリー、撮影小道具(傘とかレンズ玉とか、、)などなどキリがありませんが、必要になってきますので、色々撮影しながらそろえて行ってください。
モデル撮影
さてと、ここからが本題。どうやってモデル撮影を始めるか、、、です。
自分はこれにすごく悩みましたが、おそらく一番簡単であろうステップをご紹介します。
大筋は「大撮影会→セッション→個撮→リク撮」というステップアップになります。
屋外大撮影会(囲み撮り)
一度に10~20人ほどのモデルさんが参加する「大撮影会」という仕組みがあります。安いですし参加資格も特にないので、マナーを勉強するのには最適です。
「フレッシュ撮影会」など有名どころですと、東京を中心に土日+αで毎週開催していますし、終日参加で5,000円程度で済みますので、オススメです。
実際の撮影風景はこんな感じ。「囲み撮り」と言って1人のモデルを複数のカメラマンが取り囲んで撮影していきます。目線を順番に貰いながら1~2巡したら場所移動って感じです。また、基本的にはポーズ指定などは出来ませんので、有るがままを切り取るのみです。
シチュエーションによって、もっと近い場合もありますが、基本的には数m離れての撮影になるので、70-200mmを使ってるカメラマンが多いですね。自分は、LUMIX S5 + 85mm F1.8 のみで頑張ってますが、、、。
モデル:@shiraishihiori(白石姫織)
レンズ:LUMIX S 85mm F1.8
カメラさえ持ってれば(どんなカメラでも良いし、なんならカメラを1日1,000円くらいで貸してくれます)誰でも参加できるので、まずはこういう撮影会に何度か参加してみると良いと思います。
ここで重要なのは大撮(だいさつ)のマナーを覚えることです。
カメラマンとモデルの間に割り込まない(望遠で撮ってるカメラマンもいるので周囲を見渡す!)、最前列はしゃがむ、立ち上がる前に他のカメラマンのレンズに注意する、、など。しくじると怒られるので勉強になります。
スタジオ撮影会(順番撮り)
これも大撮影会になるのですが「セッション撮影会」などとも言われる、スタジオ撮影会です。
先ほどの屋外大撮影会と同様、10~20人ほどのモデルさんが参加していて、各ブースに順番に待機してくれます。これを撮影するのですが「囲み撮影」と違い、モデルとカメラマンが1対1になります。撮影したい場合はそのカメラマンの後ろに並んで待つ格好です。撮影会に依りますが持ち時間は40秒ですので、時間が来たら列に並び直します(別のモデルさんに移動するのもあり)。
こちらは時間の範囲内であればポーズ指定が可能です。短い間で如何に魅力的な写真を撮るか腕を磨くには最適な方式です。(最初は、えーーっと、、って考えているうちに時間切れになりますww)
こちらも「フレッシュ撮影会」が有名で、秋葉原にスタジオを持ってるので毎日必ず撮影会が行われているという、めちゃくちゃ馬力のある運営さんです。(撮影会スケジュールの「Photo Session」がそれに相当します)
ここでは順番撮りのマナーと指示出し方法を覚えることです。
順番待ちするのは当然として、撮影時間を守ること、ストロボは脇撮り(順番待ち中に撮影すること)では使用しないとか、モデルに近づきすぎないなど、独特のマナーがあるので、基本的なルールを撮影会の公式サイトで予習してから、細かい暗黙のルールはやりながら覚えてください。
また、モデルへのポーズ指定などは、きわどいポーズがNGなのと合わせて、いやらしいポーズはダメですし、ケガにも注意なのでアクロバティックなポーズもダメです。それらに留意しながら、どういう風に伝えたら、どうポージングしてくれるか、ジェスチャーや声掛けで伝える腕を磨きましょう。
ちなみに、モデルさんは40秒セッションだと1ターン40分で60ポーズもすることになるので、体力的に無理のないように、出来れば大きな移動などしないで済むポーズ指定などが「優しさ」です。
カメラ教室(団体)
スタジオ撮影会(順番撮り)で慣れてきたら、個別撮影会(個撮)へとステップアップしていくのですが、後述してますが急にハードルがあがります。
なので、一度ここでカメラ教室(セミナー)などを体験してみるのもいいと思います。
“カメラ 教室” とかでTwitter検索すると沢山ヒットします。
ストアカのように大規模にやってるものも良いですが、必ず「モデル名を明示」している教室を選ぶことを強くオススメします。撮影講座って言いながらモデル無しの座学だったり、地雷的な非常識モデルもここで判別可能ですので。
ただし、、いくつか受講したことが有るのですが、撮影の機会を与えてくれることは確かですが、テクニックについて「教授」されることは余り無かった印象です。まあ1時間程度の講座ですから時間に限りがありますしね、、、。個別撮影会の予行練習として「プチ撮影会」という感覚で参加する方が良いかもしれません。
個別撮影会(個撮)
ここから急にハードルがあがります…。
個別撮影会(個人撮影会)を実施している組織が、とんでもなく沢山存在していて、
「xx月xx日 バラ園で撮影会やります」
というような募集がツイッターで頻繁にあります。(基本的にTwitterです)
日程と場所とお目当てのモデルが合致すれば申し込んで、約1時間占有して1対1の撮影ができます。(上記写真がその例です)
ただし、なかなか突然応募しても断られることもあるので、手順を踏む必要があります。
撮影データをツイッターに投稿しておく
これが重要で、自分は撮影していますよというアピールをしておくのがポイントになります。
モデルさんが「このカメラマンさんはどういう撮影をするのかな?」と参考にすることもありますし、個別撮影会の運営さんが申し込み条件にしていることも多いです。
インスタグラムを使ってる人もいると思いますが撮影会では圧倒的にTwitterですので、もしアカウントが無い場合は作るなり、サブ垢で写真アカを作るでもいいので準備して大撮影会やセッション撮影会での撮影データを投稿しておきましょう。
そのためにも、(ほぼ)無条件で参加できる大撮影会で撮影実績を積んでおきましょう。
※投稿許可条件はモデルごとに違いますのでそれぞれ確認してください。
モデルと仲良くなっておく
まずは屋外大撮影会や、セッション撮影会などで、沢山のモデルさんを撮影して、相性が良さそうなモデルさんの目星をつけて、次回の撮影会の予定などを確認しておくのがオススメです。
大抵は「Twitter見てねー」ってアカウント公開しているので見に行くと撮影会の予定も分かります。
そこで指定された運営さんの撮影会から申し込みをして、料金の支払いなどをすれば、あとは当日撮影するだけです。
モデル:@shiraishihiori(白石姫織)
↑
何度も撮影させて頂いています。ありがとうございます。
面識のないモデルへの申し込み
なお、個別撮影会に慣れてくれば、いきなり面識のない初見のモデルに申し込みするのも、不可能ではありません。ただし、お互い知らない同士での1時間2人キリでの撮影って、相当ハードル高いでので、色々なルールが分かってからの方がいいと思います。
1対1で撮影するので、モデルさんの身の安全の確保するため、カメラマンの常識的な行動を求められるのは当然ですが、申し込み時点で「逆切れするモデル」や、「非常識なモデル」もまれにいますから、初見での申し込みは本当に慎重にした方がいいです。
せめて、お気に入りの運営さんをいくつか体験してピックアップしておくと安心です。
方向性の揃ったモデルさんが集まるので安心感もありますし、集合場所で他のモデルさんを一見できるメリットもあります。
※最近だと配信アプリなどでコミュニケーションとる方法も有ったりします。
ロケハン
スタジオでの個撮なら、そのスタジオを使った撮影例をツイッターで探して勉強します。(撮影例がないスタジオなんてまず無いです)。
野外での個撮なら、出来れば事前に、遅くとも当日1~2時間前に現地に行って、撮影スポットを確認しておくのがオススメです。天候状態や日照条件、モデルさんのスタイルや服装やらを勘案しながら、撮れそうなところを事前に確認しておきます。
個撮では大体1枠が1時間ぐらいですから、移動時間も含めて効率的に使わないと、あっと言う間に時間が過ぎてしまいますからもったいない。(1枠10,000円だとすると1分で170円ですよ!1秒だって無駄にしないロケハンを強くお勧めします)
まぁ慣れてきたら、ネットの情報とGoogleマップのストリートビューで、バーチャルロケハンってのもラクチンで良いんですが、実際歩いてみると「間に合わない!」ってのが多いですね。
リクエスト撮影(リク撮)
最後はリク撮です。機材の事やイベントなどを抜きにすれば、これの当たりのレベル感が一区切りとなります。これを突き詰めていくと面白いと思います。
モデル:@shiraishihiori(白石姫織)
スタジオ:@comuya_com(スタジオこむや2)
屋内でも屋外でも、自分が撮りたい場所・環境・シチュエーション・時間で、モデルと個別に相談して決める撮影方式が「リクエスト撮影(リク撮)」です。
運営さん経由の場合もあれば、個人で対応しているモデルさんもいますが、前述のように面識があってある程度仲良くなってないと、かなり難しいと思います。
モデル:@shiraishihiori(白石姫織)
ロケ:西武園ゆうえんち
スタジオ撮影だと自分で予約も必要ですし、ロケでも入場料がかかったり、2~3時間の撮影に対するモデルさんへの撮影料も発生しますから、個撮よりも全然おカネがかかりますが、自分の表現は実現できます。
まとめ
カメラ選び、モデル選びをステップを踏んでご紹介しましたが、とにかく撮影しないと先に進みません。今までに8万ショットほど撮影していますが、撮影する機会を提供して頂いている運営さんやモデルさんには感謝しかありません。
あとは余計なお世話かもしれませんが、カメラ本体も高いですし、フィルターやストロボ、ソフトボックスなどそろえていく費用や、撮影代や交通費などなど、とにかくお金がかかるので、日々のお仕事はしっかりこなしましょう。
なお撮影したデータは、キチンと色味の補正や肌の調整も必要ですので、Adobe Lightroomなども使いこなせるほうが良いと思います。